「地下の鳩」西加奈子著の感想(ネタバレあり)!又吉直樹が絶賛の小説だけど…

西加奈子さんの「地下の鳩」を読みました。

ピースの又吉直樹さんが「地下の鳩」を絶賛されているようなのですが…う〜ん…。

私の素直な感想(ネタバレも含みます)をお伝えします。

 

 

「地下の鳩」西加奈子著の帯を又吉直樹が!テレビ番組で太田光も絶賛

「地下の鳩」は西加奈子さんの2011年の小説です。

 

「鳩」とタイトルについていますが、鳩が出てくるのは数える程で、ミナミのキャバレーで呼び込みをする男性と、スナックのチーママと、オカマバーを営む女性(元男性)の話です。

 

「地下の鳩」を読み終わってから知ったのは、この小説の帯を又吉直樹さんが書かれていたことです。

 

私は本を買うとすぐに帯を外してしまうので、又吉直樹さんが帯を書かれていたことに気づきませんでした。

 

鬱屈とした
世界の中で
一生懸命に生きようとする
登場人物達は、
僕にとってとても
まぶしい存在です。
まっすぐで、不器用で、
でも品があるんです。
とても愛しく感じるんです

 

又吉直樹さんの帯を、読了後に読むと、1冊の内容がぎゅっと詰まっていることが分かるので、「そうそう!」「まさに!」と、思わず手を打ってしまいました。

 

又吉直樹さんはテレビ番組の中で「地下の鳩」をオススメの本として紹介していたこともあるようです。

 

又吉直樹さんのオススメポイントは、

  • 夜の街の人々が、チーママがなくした自転車の鍵を一緒にに探してくれる場面の人情
  • チーママになれた理由が「短大卒」「履歴書持参したこと」で、みんなが学歴コンプレックスを持っていて、その学歴を絶賛していること

なのだそうです。

 

また、太田光さん(爆笑問題)もテレビ番組で又吉直樹さんと一緒に「地下の鳩」を絶賛していたこともあったようで・・・

 

  • 作者が登場人物に対して愛情を持っている。それぞれの魅力を書き込んである。だから読んでいて愛おしくなる
  • 大阪の元気な様子が詰まっている
  • 世の中のはみ出しものの二人のやり取りのなかにユーモアがある

とお話しされていたとか。

 

参考:ストライクTV「ストライクブック」より

 

「地下の鳩」西加奈子著の感想(ネタバレあり)

「地下の鳩」の感想は…、読んでいてお腹が痛くなる小説でした。

 

「地下の鳩」も「タイムカプセル」も、全体的に漂うのは、暗い雰囲気です。

 

閉塞感、生きずらさ、周りから見える自分と本当の自分のギャップ…そういう、考えても答えが見つからない悩み、だからこそ普段は見て見ぬふりをしている悩み…が、これでもか!というくらい描かれています。

 

暗いな〜お腹痛いな〜と思いながらも最後まで一気に読んでしまったのは、登場人物の、”誰にも見せないもがき”それでも”懸命に生きるしかないと前を向く様”に、自分も思い当たるフシがあるからだと思います。

 

・・・・・

 

西加奈子さんの繊細な描写はさすがで、吉田の香りとか、みさをの声とか、みさをの部屋の空気の重さとか、そういうのを嫌でも感じてしまうんです。

 

目の前に登場人物や夜の街が息しているんです。

 

だからこそ、登場人物の心情や描写を読んでいると、胃がぎゅーっと痛くなるほど、感じ取ってしまうんです。

 

・・・・・

 

タイトルにもなった「地下の鳩」。

 

「鳩」が示すものはなんなのでしょうか?

 

普段は「平和の象徴」として見られる鳩の、そうではない、薄暗く荒んだ部分が、登場人物の苦悩や生き方と重なっているのかな?と私は解釈しています。

 

 

私はどちらかというと「地下の鳩」よりも「タイムカプセル」に惹きこまれました(後半3分の1ほどは「タイムカプセル」という話です)。

 

「タイムカプセル」を盛り上げるための前座として「地下の鳩」が書かれたんじゃないか?と思ったくらいです。

 

・・・・・

 

西加奈子さんの小説はほとんど読んでいますが、「地下の鳩」は西加奈子さんらしさが薄かったように感じます。

 

独特な世界観、西加奈子さんにしか書けない絶妙なラインを「地下の鳩」では感じられなかったのが残念です。

 

西加奈子さんの世界にどっぷり浸りたい時だっただけに、ちょっぴりしょんぼりでした。

 

だからこそ、「地下の鳩」を読んだ西加奈子さんファンの感想がとっても気になります。

 

あなたは、この小説をどのように感じ、どんな風に解釈しましたか?

 

私が「地下の鳩」から読み取れているのは、きっと表面的な部分で、まだまだ読みが浅いのかなぁって思っています。

 

「地下の鳩」西加奈子著のあらすじ

「地下の鳩」西加奈子著のあらすじは・・・

 

小説の舞台は大阪ミナミの繁華街。

そこで生きる40代の男性吉田が、夜の街すら未経験の新米チーママみさをと出会い、恋に落ちる…という話。

吉田は、今も若くてイケてると思い込んでいるものの、昔のようにはいかないことも自覚しています。

みさをは、幼少期から周りが期待する役割を演じ、ほんとうの自分が分からずにいます。

 

連作となっている「タイムカプセル」は、オカマバーを営むミミィの話で、「地下の鳩」とシンクロしながら話が展開していきます。

ミミィの暗い過去やトラウマへの苦悩が描かれています。

 

登場人物ひとりひとりの、人間くさい悩みや説明のつかない感情、過去の影などが描かれています。

 

本日ご紹介した「地下の鳩」のご紹介

私の感想を読んで気になっていただけたら、ぜひ読了後に感想や解釈を教えてください♪

西加奈子さんが描く、誰もが持っている「影」の部分を存分に味わってください。

 

 

「地下の鳩」西加奈子/著

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くるみ
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