「人間がいるから神様がいる」
という言葉をくれたのは、作家の万城目学(まきめ まなぶ)さんです。
万城目学さんは、私が大好きな作家さんの1人。
『鹿男あをによし』『鴨川ホルモー』『プリンセス・トヨトミ』etcを書かれています。
奈良の鹿がおしゃべりしたり、
京都大学に鬼を操る部活があったり、
大阪の地下に建物があったりと、
こうして言葉にすると「はい。はい。フィクションね。」で片付いちゃう。
でも、私が万城目学さんを好きなのは、作品を読むと「もしかして現実かも。」って思えちゃうところです。
それは、万城目学さんの作品が、非日常と日常の境目がほとんどないからかもしれません。
非日常への入口が地続きなんですよね。
そんな作品を生み出せちゃう万城目学さんの頭の中を知りたくて、講座に行ってきました^^
万城目学さんの講座とは?
私が行ってきた講座は、NHK文化センター青山教室で行われたものです。
単発1回の講座です。
いわゆる学習ではなくて対談形式で万城目学さんのあり方を学ぶ、という内容でした。
『パーマネント神喜劇』出版を記念したもので、ゲスト講師としてお話してくれました♪
万城目学さんの話で印象に残ったことを敢えて1つ選ぶなら
「人間がいるから神様がいる」
この言葉は、その講座の中で、万城目学さんがお話してくださったものです。
「神様は、人が「思う」から存在する」という、万城目学さん考えから出た言葉。
私になかった考え方だったので、特に印象的でした。
神様は伝承であり、だからこそ、その神様を思う人が1人もいなくなってしまったら(忘れ去られてしまったら)存在しないことになる。と万城目学さんは考えているようです。
その考えが、なんだか言語論的転回(言葉があるから認識/存在できる)みたいで、私のツボを刺激するおもしろい発想でした。
万城目学さんのおすすめ作品
万城目学作品で、私のおすすめをご紹介しますね♪
①プリンセス・トヨトミ
映画化もされている『プリンセス・トヨトミ』なので、タイトルを聞いたことはあるかもしれませんね。
万城目学さんにハマるきっかけとなった、そして、私が初めて読んだ万城目作品です。
『プリンセス・トヨトミ』のあらすじは、大阪人が大阪魂を守るべく大阪城の下に大阪国を作っていて、そこでは大阪国総理大臣もいる。しかし、不正で大阪国に国家予算が使われていることが判明し、会計検査院が監査に乗り込む…というような内容です。
「こんな世界ウソでしょー!」と思いつつも、頭のどこかで「これって事実なんじゃ…」と思えてくるから、作品の世界観に思いっきり入り込んじゃうんです。
→プリンセス・トヨトミ (文春文庫) [ 万城目 学 ]をチェック
②鴨川ホルモー
『鴨川ホルモー』も映画化されているので、聞いたことがあるのではないでしょうか?
初めて聞いた時には「ホルモーってなんじゃ?ホルモンのこと??」なんて思ってました。
ちなみに「ホルモー」とは、万城目学さんによる造語です。
「ホルモー」は、体長20cmほどのオニを使い勝敗を決める競技のことをいいます。
競技の勝敗が決まる寸前に「ホルモー」と叫ぶことが由来。
あらすじは、京都大学生の主人公が「京大青竜会」というあやしげなサークルに入り、ホルモーというオニを操って戦う競技に臨む話です。競技としてのホルモーの疾走感や、それぞれの思いが交差する心情の描き方も秀逸で、単に「奇異な世界観」では終わらないおもしろさがあります♪
→鴨川ホルモー (角川文庫) [ 万城目 学 ]をチェック