Dialogue in the Dark(ダイアログインザダーク)の「暗闇体験」に初めて参加しました。
ダイアログインザダークの大ファンである彼が「さやちゃんにも一緒に体験してもらいたい」と暗闇体験をプレゼントしてくれたので、ふたりで参加しました。
最初は「清水寺の胎内めぐりと一緒でしょ?」と高を括っていた私ですが、暗闇に入って数秒で大号泣してしまったほど、瞬間的に五感が覚醒してしまいました!
その時の体験を書きたいと思います。
この記事の内容
ダイアログインザダークの暗闇体験って?
ダイアログインザダークは、1988年にドイツの哲学博士アンドレアス・ハイネッケによって誕生しました。
これまでに世界39カ国以上で開催され、800万人を超える人々が暗闇を体験したそうです。
ダイアログインザダークは、ひとことで言えば、暗闇を体験するアトラクションです。
光の一切ない暗闇の空間で、聴覚や聴覚、嗅覚、触覚といった視覚以外の五感を使って体験します。
暗闇は「アテンド」と呼ばれる視覚障がいを持つスタッフが参加者をサポートしてくれます。
ダイアログインザダークの暗闇体験の流れ
ダイアログインザダークの暗闇への扉
ダイアログインザダークでは、1ユニット8名で暗闇に入ります。
8名は、偶然、その日その時間に一緒になった人たちです。
私は彼と2人で参加をしたので、他の6名とは「はじめまして」の関係でした。
私たちの時は、視覚障がいを持つはちさんという、とてもキュートな女性スタッフの方が、アテンド(ユニットのリーダー)になって暗闇を案内してくれました。
普段、目を使わずに生活をされている視覚障がい者の方は、暗闇世界のエキスパートです。
暗闇への最初の扉を入ると、まずは杖(つえ)を1人1本受け取ります。視覚障がいの方が持っている「白杖(はくじょう)」と呼ばれる杖です。
この杖は、暗闇の中で歩くのに必要な情報を集めるために使います。
「この先は行き止まりね」とか「人にぶつかったわ」とか、杖で探ります。
何も見えない暗闇では、杖が歩くための唯一の頼みの綱となるわけです。
杖を受け取り、次の部屋へと足を進めると、そこから少しずつ暗闇の世界へと入っていきます。
薄暗い電気から始まり、徐々に光が全くない真っ暗闇に突入します。
最初は正直、とても怖かったです。
みんなに置いていかれて、ひとりだけ暗闇の中に取り残されるのではないか?と不安でしたし、
何が目の前にあるのか分からない暗闇の中では、杖があるといっても一歩踏み出す勇気が出ずにいました。
怖い。怖い。怖い。
と身体中が「恐怖」という言葉で埋め尽くされているようでした。
ダイアログインザダークの暗闇の恐怖からの救い
恐怖で動けなくなっている私を救ってくれたのは、みんなの声や肌のぬくもりでした。
暗闇に入るまでは、唯一の頼みの綱が「杖」だけだと思っていた私ですが、実際に暗闇を体験すると、人の声やぬくもりが1番の支えでした。
「こっちですよ!声に向かって歩いてきてくださいね。」と声を出し続けてくれたり、手をつないだり、相手の肩につかまったりして、暗闇の中を進むことができました。
9名(参加者8名+案内人はちさん)が、時にはみんなに頼り、時にはみんなに頼られながら進む中で、自然と、暗闇への恐怖はなくなっていました。
扉の前で出会ったばかりとは思えないほど、9名ひとりひとりへの信頼の気持ちは強くなっていきました。
ダイアログインザダークの暗闇で五感の目覚め
暗闇の中は、目以外の五感でいろいろ感じる仕掛けがありました。
森のような香りがすると、嗅覚がいつもより敏感に反応していることを感じます。
海の音が聞こえれば、聴覚をしっかり使って、海の景色を想像します。どんな色の海で、どんな人たちが砂浜にいて、時間帯はいつで・・・と音から、目の前に広がる海の景色を想像するんです。
不思議なことに、ここでは、みんなの意見が一致しました。
「なんだか夜な気がします。」
「私もそう思った!」
「星がいっぱいあって。」
「そうそう!人はいなくて自分だけで!」
と、暗闇の中にいて、何も見えていないのに、音から想像しながら見た海の景色は、みんな一緒なんです。
嗅覚や聴覚の他に、でこぼこの丘や原っぱを歩いたり、手で壁や道幅を探ったりして、触覚を使って感じたり、
ドリンクを飲むカフェにも立ち寄り、暗闇の中で味覚だけをフルに使って飲み物を楽しんだりもしました。
案内人のはちさんは、常に私たちの好奇心を刺激してくれるような声をかけてくれたり、私たち一人一人が自分と対峙できるような問いかけをしてくれたりもしてくれるので、五感はどんどん研ぎ澄まされていきます。
知らず知らずに、日常の中で曇ってしまった五感が、暗闇の中で目覚めたようでした。
ダイアログインザダークの暗闇体験のその後
約90分間の暗闇体験を抜け、薄明かりの部屋に入っただけで、目がグルングルン回りました。
すっかり、目を使わないこと慣れてしまった身体は、目から入る情報の多さについていけませんでした。
さらに、視覚を使わなかった約90分間で、感覚をフルに使うので、ダイアログインザダークを出る頃にはグッタリしてしまいました。
ダイアログインザダークに参加した感想
(ご一緒させていただいたみなさんとの写真。なんと北海道から参加された方も!)
だめそう。
って最初の扉を入った時から感じてました。
泣くわけじゃないけれど、それに似てて、
喉の奥に感情が詰まっているかんじ。
そして、光の全くない真っ闇の部屋へと足を踏み入れた瞬間に、大号泣してました。
香りや音を感じて感動してるのか?
暗闇の怖さからか?
涙の理由は自分でも分からなかったけど、
とにかく、感情がせき止められなくなっちゃって、泣けて泣けて仕方なかったです。
暗闇って、真っ黒だと思ってたけど、
色鮮やかで、美しくて、綺麗でした。
暗闇って、何も見えなくなることだと思ってたけど、
一緒にいる人の豊かな表情が見えました。
暗闇の中で見てきたことは、美しい世界や相手の豊な表情で、
これまで私は目で、何を見てきたんだろう?って思いました。
目で見えることは、本当にわずかなことで、1情報の1側面でしかないのに、どこかでそれが「すべて」だと思ってたんですよね。
暗闇体験は、自分がつくった小さな世界に、知らず知らずに入り込んでいたんだことに気づかせてくれました。
これからは、時々目を閉じて、暗闇の世界に行きたいと思います。
そして、そこに広がる広い世界と無限の可能性を見ようと思います。
ダイアログインザダークで暗闇体験
Dialogue in the Dark(ダイアログ・イン・ザ・ダーク)
H.P. http://www.dialoginthedark.com
おわりに
いかがでしたか?
暗闇の世界を体験する前と後では、世界の見え方が変わりました。
特に、自分への信頼や自分の可能性への期待がぐっと高まりました。
ダイアログインザダーク、体験しないなんてもったいないです!
ぜひ、参加してみてください!!!!