インプロ(即興)の「マエストロ」の感想

インプロジャパンのクラスに通っている彼のクラス発表会を見に、秋葉原へ行きました。
週1でのお稽古の集大成が3ヶ月に1度開催される発表会です。

 

インプロ(即興)のゲーム「マエストロ」

今回の発表会の演目(専門用語だとゲームといわれているみたい)は「マエストロ」でした。

 

マエストロというのは、個人対抗型のインプロショーです。

 

ランダムに選ばれた数名が、5〜10分くらいのショートシーンを即興でつくります。

 

そしてシーンごとに、毎回、観客が拍手で点数をつけていき、最終的に最も点数の高かった1人がマエストロ(巨匠)になるというものです。

 

スクリーンショット 2016-07-21 20.30.08

 

点数をつける時、演じた人たちは、じーーーっと観客を見ています。

どの人が、何点をつけたのか見守って(監視して?!)いるんです。

 

たった今、演じてくれていた人たちに、目の前で点数をつけるって、
すっごく気まずい!!!!!

 

点数をつける間は、評価を待っている演者さんたちだけでも目をつぶっててよー!って心で叫びました。

 

出演者は、彼の大切な仲間だし、私も仲良くさせてもらっている人ばかりだから、
どのシーンに対しても、ついつい無難な点数である3点(5点満点)をつけたくなっちゃいます。

 

これまで、何回か発表会を見てきましましたが、自分自身が点数をつけるのは初めての経験でした。
というか、発表会に限らず、本人の目の前で点数をつけるのは生まれて初めての経験でした。

 

とにかく、すーーーーーっごくイヤでした!!!

 

素敵な彼女と思われていたかったし、
イイ人でいたかったから、
本人の前で点数つけるなんて、ありえない!!って思ってました。

 

でも、でも、
このマエストロの審査員をさせてもらって、
とても素晴らしい経験ができたと思っています。

 

新しい視点でインプロを見ることができたし、
私自身が、とても大切なことに気づけたり、
いろいろなことをたくさん感じることができました。

 

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(出典:https://twitter.com/naomiikegami)
▲ 彼(1番右)とクラスの皆さん。誰がマエストロに?!

 

インプロ(即興)を評価した感想

シーンを評価する立場になった時、その評価に対する責任が生まれます。

 

私は、真剣に望んでいる演者さんに対して、
誠実でいるために、
きちんと評価をしようって思いました。

 

社交辞令な5点より、
真剣に評価した1点の方が、
演者さんたちは喜んでくれるって思うし、
それが礼儀だと思うからです。

 

スクリーンショット 2016-07-21 21.11.12

 

私の場合は、常に自分の中に点数メーターがあるイメージで見ていました。

シーンの展開に従って、私の中の点数も推移しました。

 

演じられたシーンの何に対して、何をどう思ったから、その点数をつけるのか?

を、シーン中は、常に自問自答しながら見ました。

 

スクリーンショット 2016-07-21 21.11.12

 

点数は、観客1人1人の感覚でつけるため、評価項目を観客自身が設定する必要があります。

 

例えば、ストーリーの面白さで評価しても、演じている人たちが楽しんでいるかで評価しても構いません。

 

そして、自分の中で作った、自分だけの評価項目なので、評価基準も自分で設定します。

 

評価項目も、評価基準も、なんでもいいんです。

 

それは、思った以上に難しいことでした。

 

自分1人だけ5点をつけると、「あれ?私は何か間違えたかな?」と不安になります。

 

私は、このシーンのこの部分をこう思ったから、この点数をつけました!と堂々と言切るためには、自分自身の設定した項目と、その項目に対する自分の評価基準を、自分自身が信じる必要がありました。

 

インプロ(即興)の「マエストロ」を通じて感じたこと

相手を評価するということを通じて、
その場にいることの責任を意識しながら、
常に自分自身とも対話し、
そして、自分を信じることのできた経験でした。

 

それは、
評価する人もまた、真剣勝負を行っていて、

全体への視点と細部への視点の両方を常に意識し、

感覚的に捉えながらも、
実証的にその感覚に下した評価の意味を考え、

最初から最後まで緊張感を保っていたように思います。

 

最近は、点数をつけること(優劣をつけること)を良しとしない風潮があるように感じます。

 

でも、評価をすることで、評価する側の真剣さが増すこともあります。

 

そして、その評価する側の「真剣さ」が、実際の評価点以上の価値を生むこともあるのではないかと思いました。

 

インプロジャパンH.P.
秋葉原の地下で、常に、新しいストーリーが生まれています。

 

くるみ
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